インテルCPUで自作PCを組みたいが
CPU自作の時に、一番の難題となるのがマザーボードでしょう。何を選べばいいのかわからない。結論から言えば、つけたいCPUに合わせて、マザーボードの対応CPU・チップセットを見るって感じです。(ソケットが同じでも対応CPUが違うものがあるので。ex)Coffee LakeとSkylake/Kaby Lake)
そもそもマザーボードとは?おさらい
パソコンで中心的な役割を果たすものがCPUとマザーボードです。
マザーボードとはパソコン(ケース)の中にどーんと1枚入っているでかい基盤のこと。この上にCPUはじめいろいろなパーツを取り付けていきます。
マザボには規格(フォームファクタ・大きさ)が3種類あります。※もっとあるけど一般的なのは3種類。
ATX・Micro-ATX・Mini-ITXの3種類が一般的なメインです。
ATXが一番大きいので拡張性が高い、Micro-ATXはスタンダードな感じで使いやすい、Mini-ITXは一番コンパクトだが拡張性に乏しい。という感じ。
当然ながら、選ぶ規格の種類によってパソコンの大きさも決まります。
選ぶ規格(大きさ)のほかに、マザーボード選びのなかで最も重要な中心機能が「チップセット」です。
「チップセット」とは?
CPUはよく頭脳にたとえられますが、マザーボード(以下マザボ)はたとえると胴体です。
掲題の「チップセット」ですが、これはマザボの心臓部。心臓っていうか神経や脳かもしれませんが、、、たとえは置いといて、チップセットは何をするものかと言えば、チップセットはCPUとそれぞれのパーツをつなぐためのものです。
このチップセットの性質・性能によって取り付けできるCPUの種類やできることが変わってきます。
なので、パソコン自作の場合は、CPUやグラフィックボードの性能だけでなく、マザーボード選び(チップセット選び)も重要になってくるのです。
インテルのチップセット(300シリーズ)とは
インテルのチップセットは現行で主なものとして4種類が売っています。
・Z390 ハイエンド/ゲーミング
・H370 ミドルクラス
・B365 廉価版・スタンダード
・H310 超廉価版・組み込み機器用
これらは第8世代&第9世代CPU(ソケット1151)対応が対象となりますので、これより前の古いCPUは乗りませんのでご注意を。
ざっくりと300シリーズのグレード比較と特徴と
マザボ選ぶと想定した時の比較と特徴は以下の通り。
Z390 | 全部盛・デュアルグラボ特権保有・最高峰。
CPUとメモリのオーバークロック(OC)対応はこれだけ。マルチGPU(デュアルメモリみたいなもの/おなじグラボ2積んでパワーアップ)ができるのも基本Z390だけ。 Mluticore Enhancementなんていう全コアOCフル稼働なんてのができるのもこれだけ。 Z390は最上位グレードだが廉価なものもある。ハイスペックCPUを積んだりゲームやりまくりなどのヘビー利用前提ではヒートシンクのついたマザーボードを選ぼう。低価格なものは下位のH370やB365などと価格もさほど変わらないので迷ったらチップセットがZ390のものでもいいかもしれない。 ※ヒートシンクとは放熱・冷却するための金属板の部品 |
H370 | H370は中間グレードの位置付けだが、Z390・B365の登場で存在意義が揺らいでいるチップセット。
下位のB365と性能はほぼ同じ。違いは「Intel CNVi」「Intel Wireless-AC」 に対応しているか否か。CNViとはワイヤレスモジュールの大部分がチップセットに統合されているため高速な無線接続が利用可能になることらしい。RFモジュール(Intel Wireless-AC製品)の追加で、H160という高速のWi-fiとBluetooth5が使えるようになる。 ただし、この高速Wi-fiを使いたい場合は、無線ルーターもH160対応のものを用意する必要がある(別にそれでなくても普通のWi-fiとしても使えるようだが)。※Wifi6が標準になりそうでH160は置いてけぼり規格かも。 なにより、Z390までの機能はいらなくてB365でいいが「Intel CNVi」が気になる人、モジュール1こ追加だけでWi-fiとBluetoothの両方が使えるようになるのが便利と思う人向け。ネットは有線だから関係ないという人はZ390かB365を選ぼう。 |
B365 | 真の中間グレードかつスタンダード。H370と機能ほぼ同じ。
Z390との違いがレーン分割「NVIDA SLI /Cross Fire」対応(グラボ2枚刺し→ハイパフォーマンス)・オーバークロック対応(CPUとか規定以上にぶん回して高い効果を出す)など。これらZ390の機能はゴリゴリゲーマー以外はいらない機能なので、普通の人はB365でもいい。素のスペックの上ではUSB3.0にしか対応していない(USB3.1に対応していない)が、多くのマザーボードでは別チップ搭載してUSB3.1に対応しているので問題ない。 H370との違いは「Intel Wireless-AC」「Intel CNVi」 への対応だが、11acでいい場合、普通の無線カードかUSB子機刺せばいいBluetoothも挿せばいいので問題ない。いらない人はもっと問題ない。ということでB365おすすめ。 普通のものよりプラス数千円だして「Gaming」がおすすめです。最近のパーツ熱くなるからね。Gamingモデルだとヒートシンクついてたりして発熱を抑えてくれます。 |
H310 | 超廉価版・組み込み機器用。いろんなところで組み込み用とか書かれているけど、ローコスト自作の定番ともいえるマザーボード。
拡張性に乏しい。グラボ挿したら終わりなレベル。メモリも2つしかさせない。PCIeも6レーンしかない(ほかはB365は20)。RAIDもできない。PCI-Expressのリビジョンが2.0と古い。 などなど、チップセット比較記事とかではメタメタにひどい言われようのH310だが、メモリ増設もせずRAIDなんかやらない、ハイクラスのグラボなんかつまない、って普通の人には実はちょうど良いグラボかもしれません。 注意点として、PCI-Expressが2.0だからグラボ挿しても~っていう記事もよく見かけますが、H310マザーのグラボ挿すとこはちゃんと「PCI-Express x16 Gen 3.0」なので問題ないです。汎用的のとこが2.0ってこと。 Z390の安いものとは値段が倍くらいの違う。B365との差は1.5倍。といっても数千円の差なので普通の人はB365、いずれ拡張改造予定の人はZ390を買ったほうが幸せになります。「マザーボード」母なるボード、あまりお母さんはとっかえたりしないよね? ローコスト最安激安PC自作を目指す人にはとてもお勧めです。 |
Intel 300シリーズ おすすめマザーボード
それではここからおすすめマザーボードを紹介していきます。
チップセット「Z390」のおすすめマザーボード
Z390は上位チップセットなので、上を見ればきりがないです。
おすすめは「MSI Z390-A PRO ATX」が一番安くていいと思います。
安くてヒートシンク付が魅力。
デメリットは、高速SSDのM.2ポートが一つしかなく、USBポートが少ないのが難点。映像端子では、HDMI端子がなく、DVI-DとかVGAとかDisplayportとかついてます。まぁ、これ使う人はグラボ挿すから出力端子は関係ないかもですけどね。
Z390系では最低限なのでしょうが、お勧めです。
もう少し予算出していいなら「MSI MPG Z390 GAMING PLUS」がおすすめ。赤くてかっこいい。赤いが通常の3倍ではない。
チップセット「H370」のおすすめマザーボード
H370マザーではASRockの「H370 Pro4」がおすすめ。ヒートシンクもしっかりついてるし。一回り小さなMicro-ATXの「H370M Pro4」もおすすめ。(サイズ間違い注意!)
MSIの「PROシリーズ」は企業&一般向けだそうで、デジタルPWMの採用により24時間365日の安定動作を実現するとのこと。いろいろ丈夫そう。
202001末現在、H370チップセットのマザーボードは、ASRock・ASUS・GIGABYTEの3社がメインです。廉価版はどれも似たり寄ったりで、どれを選んでも後悔するほど大きな差はないと思われます。
H370の中での上位版としては、Gamingモデルがあります。
GIGABYTEの「H370 AORUS GAMING 3 WIFI」・ASUSの「TUF H370-PRO GAMING」。ASUSは前者のWi-fiなしとWi-fi版もある。
H370を選ぶ人にとってWi-fi機能付きは魅力だが、ただ、現在ではZ390系の「MSI MPG Z390 GAMING PLUS」のような格安なゲーミングマザーも同価格帯であるのであえて選ぶかは微妙なところ。このクラスを考える人(激安PC自作ではない人)ならば、数千円ちがってもひとクラス上のZ390のほうが後々の満足度がある(後悔がない)ように思われる。
チップセット「B365」のおすすめマザーボード
真のミドルクラスであるB365マザーは、z390・H370では選択肢が少なかった「Micro-ATX(mATX)」が中心。これならパソコンをパソコンらしいサイズで作れます。
最安値はどのサイトも「BIOSTAR B365MHC」だが、レビューも少なくちょっと怖い。
その他最安値圏は「MSI B365M PRO-VH」「GIGABITE DS3H」「 ASRock B365M-HDV」の3製品。同じような性能。「GIGABITE DS3H」だけメモリスロットが4つあるので動画編集などで大容量メモリ積みたい人にはこちらがおすすめ。
B365もH370マザーと同じく、Gamingモデルを買うなら数千円出してz390買ったほうがいいと思われる。mATXでの格安ゲーミングPC自作を目指している人には下記「B365M Phantom Gaming 4」がおすすめ。
Z390・H370・B365ともにGamingモデルも似たような価格帯で買えるため、ATXで大きくていいならZ390の廉価ゲーミングモデルを、mATXがいいなら上記、というところでしょうか。
チップセット「H310」のおすすめマザーボード
激安パソコン自作の定番「H310」。やすい。機能はいちばん劣るが、やすい。
Z390買ってどれだけの人が性能を十分に活用しているだろうか。そういうことを言ったら現代のPCなんてポルシェで公道を走ってるようなもんだし、CPUだって現行i3でも上位グラボに対応できるなど、パソコンパーツはいまや昔と考えられないくらい性能を持て余しています。
なので、ライトな使い方しかしない人はもちろん、ちょっとしたゲームやちょっとした動画編集くらいならH310とi3-9100FとGTX1050tiと8GBメモリ×2枚くらいで十分なのです。
ということで、チップセット「H310」のおすすめマザーボードは、最安値の「MSI H310M PRO-VDH PLUS」で決まり。高速SSDのM.2をつけたいのなら「ASUS PRIME H310M-E R2.0」で致し方なし。
H310はBIOSのバージョンに気を付けて。古いバージョンだと9世代core-iシリーズCPUが載らないかもしれないので。(買う前にお店に確認しておこう)
MSI H310M PRO-VDH PLUS M-ATX マザーボード [Intel H310チップセット搭載] MB4697
ASUS INTEL H310 搭載 LGA1151 対応 マザーボード PRIME H310M-E R2.0 【 Micro ATX 】
高いH310マザボもあるようだが手を出さないように。あれも欲しいこれも欲しいで気が付いたら高いの買ってたとか。スシローで高いの食べまくったら結局ふつうのすし屋で食ったほうが満足度高くね?みたいな。アレコレほしい人はB365にしよう。
わずか数千円で最新CPUが載る!安さこそ正義!格安こそ自作の醍醐味!H310マザーはそのためにある!!
以上がおすすめマザーボードになりますが、全品2020/01末現在の価格と製品基準なので、この記事をご覧になる時期によっては変化がありますのでご注意を。
以上、intel系チップセットについての説明と、チップセット別のおすすめマザーボードでした。
みなさまのご参考になれば幸いです。