米国のタクシー配車アプリ、というか白タク配車サービス大手の「uber(ウーバー)」は、が、2016年上期の損失額12億7000万ドル(約1276億円)を記録したとして話題になっています。
しかし「だからどうした」と言わんばかりにドンドンと未来へ進んでいく様相も伝わってきますので、ちょっと記事書いてみますね。
・まず、uber(ウーバー)とは?
Uberと言えば、全米のタクシー会社を経営危機に陥れ、世界各国での賛否両論ある「シェアリングエコノミー」の代表格です。
知らない人のために簡単にいえば「白タク」です。アプリで登録した素人が自分の車を使ってタクシーやるんです。お客さんはアプリでその白タクを呼んで利用すると。
お金のやり取りはアプリでやる(アプリ内課金)なので当事者同士の金銭のやり取りはなく、あとからuberが白タク運転手に(Uberの)手数料を引いた残りを渡します。
そんなサービスです。
アメリカのきちんと許認可を得て多くの既存タクシー会社が経営危機になりました。
これには賛否両論はあるのです。
もともとアメリカのタクシーは怖いし不正もやらかすしで評判が悪かった。
それに対してuberの運転手は個人でしかもレビューつけられてそれが集客(自分の稼ぎ)にも影響するので変なことできない(ってかサービスよくしなきゃ客つかない)のできちんとやるのです。
それがウケて一気にさーびが広まり、旧態然としたタクシーが衰退していったという流れです。
・実際にuber(ウーバー)って利用してみたどうなの?
実際にお客さんとしてuberを利用してみた方のレビューがのっていますが、けっこう絶賛されています。
・アプリで便利、・ドライバーが親切、・チップいらないから便利、普通のタクシーより安い、などです。
おおむね評判は良いようで、既存のタクシー会社を駆逐していった理由がよくわかります。
対して、「運転手」として実際Uberで稼いでみた方のほうは?というと、下記のように日経新聞電子版に連載記事がありました。(読むには無料の会員登録が必要です)
・ 月5千ドル 経営コンサル、ウーバー運転手になる
世界中でタクシー業界に破壊的な革命を起こしている、自家用車による配車サービスの米ウーバーテクノロジーズ(Uber Technologies)。この「シェアリングエコノミー」の代名詞は、創業からわずか5年でホンダをも超える7兆~8兆円規模(2016年1月時点)の株式時価総額を有するまでの急成長を遂げた。しかし、その実態は日本ではあまり知られていない。本連載(全3回)では、実際に米国でウーバーの運転手として生計を立てている日本人の経営コンサルタント・吉元逸郎氏に、現場目線でウーバーの実態やタクシー業界に与えるインパクト、改善すべき課題などを明らかにしてもらう。
・Uber調子に乗ってやらかす。運賃値下げ→ドライバー収入源→反発と流出食らう→ドライバーつなぎとめ→大赤字。
Uberは今年に入ってから、利用者増を狙って先日値下げを発表しています。
>>Uber Taiwan、uberXの運賃を15%値下げ − 台北市、桃園市、台中市の3市で
>>Uberが運賃15%値下げ、バイタク配車・予約アプリもサービス開始へ
ニューヨークではこれに反対してふざけんなバカヤローとストライキが起こりました。
>>米ウーバー、ニューヨークで運転手がストライキ-料金値下げに反対
uberは独占企業というわけではなくて、当然ライバルがいます。米国本社では目が届かないほかの地域では地域事情に長けたライバルがわんさかいます。そんな中で、ドライバーさんたちは、いろんなサービスを掛け持ちしているようです。(同記事ではUberの評判が悪い)
で、料金値下げで反発をくらったドライバーたちに補助金を与えた結果、2016上半期は1276億円の大赤字を達成してしまった模様です。
・素人ドライバーのおかげで成り上がったウーバーは、冷酷にも彼らを切り捨てる未来を標榜
ドライバーにムカついているのはuberも同じようで、今年からuberはボルボと組んでなんと100台もの自動運転システム搭載車「XC90SUV」を稼働させるのだとか!ペンシルバニア州ピッツバーグにて、なんと今月(8月)からです。
>>ついに自動運転タクシーが試験運用! Uberが今月から100台をピッツバーグに導入
実験なのでドライバーズシートに人が乗り込んで万が一の場合などには備えるようですが、基本的には自動運転。
いずれ、ドライバー全てを切り捨て、自動運転オンリーにしてしまうのでしょう。
日本と違って法整備もすぐやってしまう米国では案外早い時期に自動運転車が走り回る未来がやってくるかもしれません。
いちばんコストがかかる「人」を削減できれば、利用料金もはるかに安くできるかもしれませんし。
もしそうなったら、もう多額のコストがかかる自動車っていらなくなりますね。
日本の場合は車検があるし、走る税金のようなものですから、エコカーや軽自動車ばかりがあふれる中で、ごく少数の車好き意外はもう車っていらなくなるのかな?って寂しく思いますね。